
注文住宅から注文住宅への住み替えを目指して、家の売却活動中のあやです。
家を売るとき、不動産会社に売却を依頼することを「媒介契約」といいます。
住み替えを検討している人の多くは、媒介契約を結んで売却活動をスタートさせています。
媒介契約には「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3種類があり、どの方法を選ぶかで契約の自由度や販売戦略、活動報告を受けられる頻度などが変わってきます。
言葉だけでは分かりにくいかもしれませんが、それぞれの特徴やメリット・デメリットを知ることで、自分に合った契約の選び方のヒントが見えてくるはずです。
実際、我が家も住み替えに向けて専任契約と一般契約を行ったり来たりして悩みましたが、最終的には「専任契約が一番合っているかも」と感じるようになりました。
この記事では、住み替えを進める中で私自身も悩んだ経験をもとに、3つの媒介契約の違いと選び方をわかりやすく解説していきます。
不動産会社との契約方法で迷っている方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
家を売る流れと媒介契約のタイミング

媒介契約について詳しくお話しする前に、まずは「家を売るときの流れ」をざっくり押さえておきましょう。
どんなタイミングで媒介契約を結ぶのかを知っておくと、売却活動のイメージもしやすくなります。
このあとご紹介する表では、住み替えにおける売却の全体像を5つのステップに分けてまとめていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
家を売る流れの5ステップ|媒介契約はどこで出てくる?
ステップ | やること | ポイント |
---|---|---|
① 情報収集・準備 | 相場の確認/査定の依頼/不動産会社を選ぶ | 一括査定などを活用して相場を知る。複数社に相談するのがおすすめ。 |
② 媒介契約の締結 | 不動産会社と契約を結ぶ | 売却活動を正式にスタートさせるために、ここで媒介契約を結ぶ。契約後でも変更・解約は可能。 |
③ 売却活動開始 | 広告掲載/内覧対応/販売戦略の実行 | 媒介契約の種類によって、広告の出し方や活動報告の頻度が変わる。 |
④ 買主と条件交渉 | 価格交渉/契約条件のすり合わせ | 複数の申込みが入ることも。冷静な判断が大切。 |
⑤ 売買契約&引き渡し | 契約締結/引っ越し準備/引き渡し | 売買契約書にサイン後、残代金の受け取り・所有権移転などを行う。 |
媒介契約は、不動産会社と「この会社に売却をお願いする」と決めて結ぶ大切な契約です。
だからこそ、その前に信頼できる不動産会社を選ぶことがとても大切なんです。
我が家も、最初に複数の会社に査定をお願いしたことで、それぞれの対応の違いや会社ごとの強みが見えてきました。
不動産会社選びに迷っている方はこちら▼
媒介契約は、途中で解約して他の会社に変更することも可能です。
違約金は基本的に発生しないため、「合わないかも…」と思ったら見直してOK。
実際に我が家も、専任契約や一般契約、不動産会社の見直しを何度も行っています。
3つの媒介契約を比較|専属専任・専任・一般の違い

不動産会社と結ぶ媒介契約には3つの種類があります。
それぞれの契約にどんな特徴があるのか、まずは表で比べてみましょう。
媒介契約の種類を比較表でわかりやすく解説!
契約の種類 | 複数の会社に依頼できる? | 自分で買主を見つけてOK? | レインズ登録義務 | 状況報告の頻度 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|---|---|
一般媒介契約 | ✅ できる | ✅ できる | ❌ 義務なし(努力義務) | ❌ 義務なし | 複数社に依頼して広く売却活動できる | 販売に消極的な業者も/責任の所在があいまいに |
専任媒介契約 | ❌ 1社のみ | ✅ できる | ✅ 7日以内に登録 | ✅ 2週間に1回以上 | 専任なので熱心に販売してくれる傾向 | 1社に絞るため、相性が合わないと不安/囲い込みのリスクあり |
専属専任媒介契約 | ❌ 1社のみ | ❌ できない(全て業者経由) | ✅ 5日以内に登録 | ✅ 1週間に1回以上 | より販売に注力してくれる(責任感が強い) | 自分で買主を見つけても仲介手数料がかかる/囲い込みのリスクあり |
レインズ(REINS)とは?
不動産会社だけが使える「物件情報の共有システム」です。
専属専任・専任媒介では登録が義務ですが、一般媒介では任意となっています。
レインズに登録されると、他社の営業担当にも物件情報が届くため、買主が見つかりやすくなる可能性があります。
登録後は登録証明書や登録番号を通じて、レインズにきちんと登録されているかどうかを確認することができます。
知っておきたい囲い込みのリスクとは?

「囲い込み」とは、売却を任されている不動産会社が、他の会社の買主をわざと紹介しないようにする行為です。
例えば、買いたいというお客さんが別の会社にいても、「まだ案内できません」などと言って、自社の買主で成約させようとするケースがあります。
なぜそんなことをするのかというと、売主・買主の両方から仲介手数料を得られる「両手仲介」にしたいから。
これは利益重視のやり方で、結果的に売却のチャンスを逃してしまう可能性もあるのです。
「囲い込み」はすべての会社が行なっているわけではありませんが、売主側が知らないうちに不利になることもあるため、信頼できる会社を選ぶことがとても大切です。
ここからは、それぞれの媒介契約の特徴やメリット・デメリットを個別に詳しくみていきましょう。
専属専任媒介契約とは?

「専属専任媒介契約」は、3つある媒介契約の中でもっとも縛りが強い契約方法です。
契約した1社にしか売却を依頼できず、自分で買主を見つけた場合でも、その不動産会社を通して契約する必要があります。
専属専任媒介契約の特徴
- 1社のみに売却を依頼(他社との重複契約は不可)
- 自分で買主を見つけても直接契約はできない
- レインズ登録:契約から5営業日以内【義務】
- 販売活動の報告:週1回以上【義務】
専属専任媒介契約のメリット
- 専任契約よりもさらに手厚いサポートが受けられることが多い
- 販売活動の状況を定期的に教えてもらえる
- 1社に絞ることで、不動産会社が本気で動いてくれやすい
専属専任媒介契約のデメリット
- 自分で見つけた買主とも直接契約はできず、必ず仲介を通す必要がある
- 複数社に依頼して競わせたい人には不向き
- 囲い込み(他社に紹介しないなど)が起きるリスクも
専属専任媒介契約はこんなひとにおすすめ
- 信頼できる不動産会社が決まっている
- 全体をしっかりサポートしてもらいたい
- 自分で買主を探す予定はなく、任せて安心したい
専属専任媒介契約は「じっくり丁寧に、1社と二人三脚で売却を進めていきたい方」に向いています。
一見縛りが強く感じますが、その分責任をもって動いてくれることができる契約です。
専任媒介契約とは?

専任媒介契約は、「1社のみに依頼する」という点では専属専任媒介契約と似ていますが、自分で買主を見つけて直接契約できるという違いがあります。
専任媒介契約の特徴
- 売却の依頼先は1社のみ(他社との重複契約は不可)
- 自分で買主を見つけた場合は、直接契約OK
- レインズ登録:契約から7営業日以内【義務】
- 販売活動の報告:2週間に1回以上【義務】
専任媒介契約のメリット
- 1社に絞るため、不動産会社がしっかり販売活動を行いやすい
- 自分で買主を見つけた場合に仲介手数料が節約できる可能性がある
- 販売活動の状況も定期的に報告してもらえる
専任媒介契約のデメリット
- 他社に依頼できないため、不動産会社の対応に不満があると困る
- 囲い込みが起こるリスクもあり
- 複数社に競わせたい人には不向き
専任媒介契約はこんなひとにおすすめ
- 自分で買主を探す可能性がある
- 信頼できる不動産会社がある程度決まっている
- サポートも受けつつ、ある程度の自由も持ちたい
専任媒介契約は「不動産会社にしっかり動いてもらいたいけど、自分でも少し動けたらいいな」と思っている人にピッタリな契約です。
一般媒介契約とは?

一般媒介契約は、複数の不動産会社に同時に売却を依頼できる契約方法です。
「どこか1社に絞るのは不安」「いくつかの会社に競って動いて欲しい」という人にとっては、自由度の高い契約方法になります。
また、一般媒介にはさらに以下の2つのタイプがあります。
- 明示型(めいじがた)一般媒介
不動産会社に「他にも〇社や△社に依頼しています」とあらかじめ伝えるスタイルです。
たとえばこんな感じ:
「この家は、A社・B社・C社の3社にお願いしています」と不動産会社に明らかにします。
メリット:各社が競争意識を持ち、頑張って動いてくれる可能性がある
デメリット:「他社にも出ているなら、うちは控えめでいいか」と様子見になる会社もある
- 非明示型(ひめいじがた)一般契約
依頼した他の不動産会社の名前をあえて伝えないスタイルです。
たとえばこんな感じ:
A社にだけ「お願いします」と言って、B社・C社にもこっそり依頼している状態。
メリット:「うちだけが頼られているかも」と思い、積極的に動いてくれる可能性がある
デメリット:連絡や対応にムラがでることもあり、売主側での管理が大変になることも
ちなみに、非明示型一般媒介でも、ネット掲載などで他の会社に依頼していることが伝わるケースはよくあります。「形式的に伝えるかどうか」の違いと考えておくと◎です。
一般媒介契約の特徴
- 複数の不動産会社に同時に依頼できる
- 自分で買主を見つけて直接契約することも可能
- レインズへの登録義務なし(明示型の場合は登録あり)
- 販売活動の報告義務もなし
一般媒介契約のメリット
- 複数の不動産会社に声をかけられるため、比較しながら進められる
- 囲い込みが起きにくい
- 自分で買主を見つけた場合は直接契約OK
一般媒介契約のデメリット
- どの会社も「自分が売れるとは限らない」と思い、積極的に動いてくれないことがある
- 状況報告をもらえないことが多く、活動の様子が見えにくい
- 管理や連絡の手間が増える場合も
一般媒介契約はこんなひとにおすすめ
- できるだけ多くの不動産会社にアプローチしたい
- 自分でも積極的に動きたい・買主を探す意欲がある
- 短期間で複数の反応を見ながら判断したい
一般契約は「とにかく広く売り出したい」「不動産会社の動きを見極めたい」という人におすすめです。
ただし、複数社とやりとりするため、スケジュール管理や情報整理が苦にならない方に向いています。
媒介契約時のチェックリスト|契約前に確認したい7つのこと

媒介契約は、家の売却活動を始めるための大事な第一歩。
でも、契約書にサインする前に、いくつか確認しておかないと後悔することも・・・。
ここでは、契約時に「これだけはチェックしておきたい!」というポイントを7つにまとめました。
あとから「聞いておけばよかった・・・」と後悔しないためにも、ぜひ参考にしてくださいね。
①媒介契約の種類を理解しているか?
媒介契約には、「専属専任」「専任」「一般」の3種類があります。
それぞれの違いや特徴をきちんと説明してくれる会社かどうかが大切。
「どの契約が自分に合っているのか」納得して選べることが第一歩です。
②仲介手数料の金額と支払いタイミングは?
仲介手数料は成功報酬として支払いますが、金額や支払い時期は事前に確認しておく必要があります。
上限は「売買価格の3%+6万円(+税)」ですが、会社によって柔軟に対応してくれるケースもあります。
③契約期間と、途中での解約・変更はできるか?
媒介契約の期間は通常3ヶ月。
専任・専属専任の場合は、契約期間中に他社へ依頼できませんが、途中で解約や変更は可能です。
ただし、条件や手続きは会社ごとに異なるため、最初に確認しておきましょう。
「専任媒介契約中に他社にも相談したくなった」というケースもありますが、その場合は一旦現在の契約を解除する必要があります。契約期間中であっても、売主の意思で解除は可能なので、無理に我慢せず早めに相談してみるのがおすすめです。
④レインズへの登録義務と確認方法
「レインズ(REINS)」は、不動産会社だけが利用できる物件情報の共有システムです。
専属専任媒介契約では【契約から5営業日以内】、専任媒介契約では、【7営業日以内】の登録が義務付けられています。
登録されたどうかは、登録証明書や登録番号を通じて確認することができます。
不安な場合は、遠慮なく営業担当に聞いてOK。
「きちんと公開されているか?」は、売却成功への大切なチェックポイントです。
⑤販売活動の内容や方針は?
「販売活動」といっても、会社によってどのような活動を行うか内容はさまざまです。
- どのポータルサイトに載せるのか(ライフルホームズ、SUUMO、アットホームなど
) - チラシや近隣配布はあるのか
- SNS発信やYouTube掲載の有無
これらの戦略を具体的に説明してもらえると安心です。
⑥活動報告の頻度は?
契約の種類によって、売却活動の報告義務が異なります。
契約タイプ | 報告義務 |
---|---|
専属専任 | 週1回以上 |
専任 | 2週に1回以上 |
一般 | 義務なし(希望すれば対応の会社も) |
会社によって、「どういう内容で、どの頻度で、どの手段で報告してくれるのか」は異なります。
報告があると、進捗状況を把握しやすく、安心して任せられますよ。
⑦一般媒介なら「明示型」か「非明示型」かを確認!
一般媒介契約には、「明示型(他社に依頼していることを伝える)」「非明示型(伝えない)」の2種類があります。
契約時にどちらになるのか、明確に確認しておきましょう。

必要に応じて、気になった部分をチェックしながら話を進めると、契約後のギャップも少なくて済みます。
不安なことは遠慮せず、不動産会社にどんどん質問しましょうね!
媒介契約前のチェックリスト【7項目まとめ】
☑ 契約の種類(専属専任・専任・一般)の違いを説明してもらい、納得して選択した
☑ 仲介手数料の金額と支払い時期を確認した
☑ 契約期間と途中解約・変更が可能かを確認した
☑ レインズに登録されるか、登録証明書や登録番号がもらえるか確認した
☑ 販売活動の内容(広告、内覧対応など)を確認した
☑ 活動報告の頻度・方法について説明を受けた
☑ 一般媒介の場合、明示型か非明示型か確認した
我が家の体験談|専任・一般…いろいろ試した末に選んだのは?

専任→専任→一般→専任と変遷しながら見えてきたこと
住み替えを決意してから、我が家はまず一括査定サイトを使って複数の不動産会社に査定を依頼しました。そこで最初に選んだのが、大手ハウスメーカー系列(我が家のハウスメーカー系列ではない)の不動産会社との専任媒介契約でした。
「ハウスメーカー住宅を探している買主に届きやすいかも!」という期待があり、誠実な対応にも好印象を持ちました。
しかし、実際には売却活動のスタートが遅れ、内覧もわずか2組のみ。内覧時の担当者の説明も控えめで、正直もどかしさを感じていました。
その後、売却実績のある地域密着型の不動産会社と専任契約を結び直します。
地域での売買実績が豊富という情報に期待したものの、状況報告がこちらから聞かないと無かったり、内覧もぱったり途絶えたり。「専任なのに、この対応でいいのだろうか?」と、不安と不満が募っていきました。
そこで思い切って、他の地元不動産会社と「一般媒介契約」を結んでみることに。
複数の会社が動いてくれるという期待がありましたが、実際には音沙汰もなく、一般媒介契約ではありましたが、内容のない活動報告の手紙が送られてくるだけ。内覧もなく、7ヶ月後には契約を解除しました。
再び以前の地域密着型業者と専任契約を結びましたが、状況は変わらず。「動きが悪いエリアだから・・・」という担当者の言葉を受け、どうにか現状を打開したいと動き始めます。
そしてようやくたどり着いたのが、我が家と同じハウスメーカーの不動産会社との専任契約。
同じメーカーのライバル物件が売れていたことを知り、「このエリアでもまだ可能性がある」と感じて決断しました。2025年6月には掲載も始まり、「今度こそ!」という前向きな気持ちでスタートを切ったところです。
ちなみに、専任契約に行き詰まっていた時期に「ラクいえ売却」というサービスも試してみましたが、我が家は対象外でした。媒介契約とは別の仕組みなので本記事では詳しく触れませんが、
そのときのリアルな記録はこちら▼の記事で紹介しています
まとめ|媒介契約は”誰と契約するか”がとても大切

ここまで、3つの媒介契約の違いやメリット・デメリットを、契約時のチェックポイントをお伝えしてきました。
我が家も最初は、どの契約がいいのか迷って、専任と一般を行ったり来たりしていました。
でも、最終的には「報告もしてくれるし、信頼できる営業さんだから」という理由で、現在の専任契約に落ち着いています。
契約の種類も大事ですが、それ以上に「どんな人と一緒に売却を進めるのか?」がとても重要です。
媒介契約を結び、売却活動を進めていく中で、「なんか違うかも?」と感じたら、立ち止まって見直しても大丈夫。自分たちにとってのベストな道を探していきましょうね。
\これから住み替え活動を始める方へ/
不動産会社選びで悩んでいる方は、こちらの記事もぜひ読んでみてください▼

最後まで読んでいただき、ありがとうございました♪
お気軽にコメントいただけると嬉しいです。
住み替え活動、一緒に頑張っていきましょうね。
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